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ACCESS
広島市民球場は、旧国鉄東広島貨物駅跡にある。そのため、球場脇を山陽本線や山陽新幹線が通っており、列車の中から球場が一望できる。当然、最寄り駅は山陽線広島駅。岡山寄りの天神川駅からもやや遠いが歩いて行ける距離である。

山陽本線と可部線の車両。以前は可部線に乗れば紅葉の名所、三段峡まで行くこともできたが、可部より向こうは廃止になってしまった。現在は可部駅前ロータリーからバスが繋がっている。

こちらは芸備線。いいなぁ、キハ40系…
JR山陽線(他)
■最寄駅
JR広島駅
■最寄駅からの時間
徒歩10分〜15分

県内中枢駅のど真ん前に本拠地球場があるのは、12球場でここだけである。駅を出たら駅前広場南口へ。左手の細い路地に「カープロード」の看板が掛かっているので迷うことはまずない。そこを突っ切れば球場のスロープが見えてくる。なお、試合開催時は広島駅前にもグッズ販売所が設けられる。おにぎり専門店「むさし」も露店を出しているので弁当にも困らない。デジカメの電池など電気製品が欲しければロード入り口のビックカメラに立ち寄れば良いだろう。しかしあの家電量販店、いったいどこまで節操がないんだか…


広電の車両はとにかくバリエーションが多い。他社からの払い下げ車両が多いかららしいのだが、大井川鉄道並みに鉄ヲタの楽園になりそうな路線である。
広島電鉄
■最寄駅
広島駅停留所
■最寄駅からの時間
徒歩10分〜15分
ご存知、広電最大のターミナル駅。目の前に広島駅前広場があるので、そこから先はJRと同じ。どんだけ分かりやすいんだか…
なお、ナイター観戦で日中は市内観光を予定している人は、1日乗車券を買うのがベスト。

市内案内
まず旧市民球場周辺を訪ねてみよう。カープが50年の歴史を刻んできた場所であるとともに、市の中心部でもあるので、いずれにしても大半の人はここを訪れることになるだろう。今後はカープファンの間で「聖地」として記憶されることになるかもしれない。

まずは原爆ドームと平和祈念公園周辺。ここについては多くを語る必要はないだろう。目の前には原爆ドーム、元安川をはさんで平和祈念公園、原爆資料館と追悼施設が立ち並んでおり、 60年前にここが火の海だったという事実に直面する。
(上左)世界遺産、原爆ドーム。戦前は産業奨励館といった。米国は世界遺産登録に最後まで反対したそうだが、ナチスがアウシュヴィッツの遺産登録に反対するようなものである。
(上右)原爆の子の像。白血病のため12歳の若さで亡くなった被爆少女の死を悼んで造られたもの。その折鶴は旧市民球場に展示されていた。
(下左)平和祈念公園。原爆ドームの右横に見えるのが旧市民球場である。まさに広島の過去と現在、光と影のような光景。
(下右)
平和祈念館。現在は重要文化財に指定されている。

さて、広島の中心街は紙屋町。東と西に停留所がある。ここからも旧市民球場は近くにあった。両駅の目の前には広島そごう、十字交差点を南に進むと広島本通商店街、北に進むと広島カープの由来となった広島城がある。
(上左)紙屋町パセラ。このあたりが広島の中心街。すぐ隣にそごうもある。
(上右)広島城天守閣。別名は鯉城。これが「カープ」の名の由来である。
(下左)戦後世代には分かりにくいかもしれないが、戦前の広島は日清・日露戦争戦勝の聖地だった。広島城内には日清戦争大本営(明治天皇行宮)跡が今も残る。

(下右)奇跡的に地下で仕事をしていた女学生が地下通信施設を使い、広島壊滅の一報を打電した。それが原爆投下の第一報だった。なお、この隣には広島県護国神社がある。広島カープの年頭戦勝祈願もここで行われる。

嘗ての3塁側、10番ゲート横にあるのは「勝鯉の森」。カープ優勝記念碑と衣笠選手の国民栄誉賞受賞記念碑が置かれている。球場は移転してしまったが、ここが嘗てのカープ本拠地であったことを記念するために、ここに残されることが決定している。
(左)日本一記念碑とセリーグ優勝記念碑。ここに刻まれている日本一を賭けて戦った相手は、すべて一人の守銭奴老害オーナーに消滅させられた。
(右)衣笠選手の国民栄誉賞受賞記念碑。因みに、これを発表したときの後藤田官房長官はなぜか不機嫌そうだった。いくら自分が巨人ファンだからって…

次は八丁堀周辺。天満屋、三越、福屋百貨店などがあり、さながら大阪の難波、心斎橋といった風情である。ここからあまり広島市民球場に行く人はいないが、1日乗車券があれば充分立ち寄れるあたりである。

八丁堀停留所を降りて東急ハンズの角を北へ進むと、広島カープのグッズショップ兼博物館「カルピオ」がある。 1Fは広島カープのグッズや歴代監督、殿堂入り選手などの写真が掲載されていると同時にグッズも販売されている。 阪神タイガースグッズのように「一体何に使うんだ?」というものもない。個人的には子供の情操教育のために風呂桶みたいな物も売って見るのも良いと思うが、いかがだろうか?
2階に上がるとカープ歴史資料館となっている。 年表や歴代ユニフォームなどのほか、生写真などが展示され、いかにも「手作り感」が漂うのが良い。歴代表彰者の中には、MVP山本浩二・北別府学、国民栄誉賞衣笠祥雄などに混じって新人王・故津田恒実の名前も見られる。
津田は広島歴代初の新人王を獲得し、現役時代は「巨人の四番」こと原選手のリストを打ち砕くほどの剛球を武器とした名選手で、「炎のストッパー」とも呼ばれた。「史上最強の助っ人」こと阪神バース選手も「クレイジー」と評している。92(平成4)年に脳腫瘍のため現役引退、その翌年死去した。この辺りは「もう一度、投げたかった‐炎のストッパー津田恒実最後の闘い‐」(NHK出版刊)が詳しい。

(上左)福屋デパートも被爆前と同じ景観を保ちながら営業を続けている。当たり前の生活の中にも戦争の生き証人となっている建築物はこんなに在るという典型的な例だろう。
(上右)八丁堀停留所。
(中左)カルピオ正面。
(中右)カープ歴代の優勝ペナント。
(下)津田は引退後、この辺りから球場を見上げ「俺、あそこで投げてたんだよな…」と呟いたという。


広島から少し足を伸ばせば、もうひとつの世界遺産、安芸の宮島に行ける。広電だと広島から宮島口まで1時間、JR山陽線なら30分程度である。宮島まではJR、広電ともに宮島航路が繋がっている。かつては国鉄・JRの運営する海上航路は関門、青函、宇高、仁堀、宮島と5箇所あったが、現在はここだけである。JR航路は青春18きっぷでも乗船可能だ。
(上)宮島航路の宮島口側乗り場。航路は2つあるが、サービスは大体同じ。あとはお好みで。
(中)厳島境内。海上の聖地という共通点から、フランスのモンサンミシェルとも交流があるとか。なお、日本三景というカテゴリーは江戸時代の儒学者、林春斎の『日本国事跡考』が始まりとされる。よく「「日本国」という概念は明治時代以降に作られた。それ以前は「藩」が日本人の集団意識の最上位だった」などと言う学者が居るが、何も分かっていないか、あるいは全くのウソである。

(下)宮島の鹿。奈良に比べると痩せているのが分かるが、餌やり禁止の上に鹿せんべいの類も売っていないため。管理人はシャツの裾をこいつらに齧られそうになった…
球場周辺
球場へ行くには広島駅。広島県中枢駅なので、特に説明は必要ないだろう。買物をしたければ駅ビルや地下街、カープロードの道すがらにもローソンがある。その他、焼き鳥やおつまみなど、カープロード沿いには試合開催時に合わせて路上販売をしている店もある。なお、道沿いは民家が密集している住宅街なので、道中はお静かに。
(上左)広島駅ビル。新幹線で駅に着いたら、まずは南口へ。
(上右)試合開催時は駅前でもグッズを販売している。当日は巨人戦だったので結構盛況だったな。
(中左)カープロード入り口の看板。駅を出てすぐ左側を見ればこの看板が目に入る。球場まではここから約800m。
(中右)線路沿いにまっすぐ行けば球場入り口のスロープが目に入る。ここを登っても良いが、右に逸れれば正面ゲートもある。
(下)カープロード沿いのローソン。こんなすごいローソン、初めて見たぞ…
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