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西京極球場とは?
京滋地区の中心的球場。GW期間中にはJABA社会人野球大会のメイン会場として使用され、高校野球京都府大会では決勝戦会場ともなっている。近年では女子プロ野球リーグ・京都アストドリームスの本拠地でもある。
嘗ては阪急ブレーブス、近鉄バファローズの準本拠地であり、阪神タイガースも夏の高校野球開催で甲子園が使用不可能となる、いわゆる「死のロード」期間中に仮本拠地として使用した。過去には兵庫県の甲子園・西宮球場、大阪の大阪球場・藤井寺球場・日生球場と並ぶ地位を占め、現在では関西の主な球場の中でも第2位の歴史の長さを誇る。
しかしいかんせん古い上に「準本拠地」としての地位も失い、整備の遅れも目立ち、半ば「プロ野球から見捨てられた」状況にある。 札幌に札幌ドームが建設されて主要機能が円山球場から札幌ドームに移り、宮城県営球場がリニューアルされ、広島でも新球場が完成した今、全国主要都市にある球場の中では最もショボい球場という不名誉な位置にあると言って良いだろう。
京都という土地柄上、新球場の建設は期待できない(何せ加茂川に西欧風の橋を架けようという計画まで葬り去った土地柄だからなぁ。「京都ドーム計画」なんて発表したら暴動が起きるぞ…)が、野球場まで「文化財化」することは無い筈である。日本屈指の大手ハイテク企業が居並ぶ京都経済界の底力で再整備し、千年来の王都にふさわしい球場として生まれ変わることを切に願いたい。
Stadium Data
所在地 〒615-0864 京都市右京区西京極新明町29(西京極総合運動公園内) マップ
右翼 100m
右中間 114m
中堅 117m
左中間 114m
左翼 100m
外野フェンス 4.4m
面積 11.750u (内野3,166u 外野8,598u)
フィールド面 内野クレー舗装、外野天然芝
照明塔 6基
照度 投捕間:2120lxs、内野:1650lxs、外野:1088lxs
観客動員数 20,000人
Stadium History
如何にも京都らしく、1924(大正13)年の摂政宮裕仁親王(後の昭和天皇)と良子女王(香淳皇后)のご成婚を記念し、 1930(昭和5)年に京都市西京極総合運動公園が創設され、野球場も2年後の32(昭和7)年に創設された。 以後、京都府内の野球文化の中心とされ、高校・大学・社会人野球のほか、プロ野球にも広く開放された。
戦後の一時期は松竹ロビンスの本拠地候補ともなったが、終戦直後で米軍の施政下に置かれたため実現せず、 ロビンスは同じ京都市内でも比較的不便な衣笠球場を本拠地(現在の立命館大学衣笠キャンパス内)とせざるを得なかった。 立命館大学が関西圏の名門4私大とされる「関々同立」の中でもずば抜けて不便な場所にあることは、関西圏在住の大学生なら誰でも知っていることだが、 そんな場所のため衣笠球場は近代化が遅れ、結局ロビンスは大阪球場をメインに使用することが多くなった。
特に球場の照明灯整備は衣笠も西京極も遅れ気味で、大阪球場の照明灯が完備されると殆どの試合は大阪で行われた。 そのためか現在では京都市民ですら「かつて京都を本拠地とする球団があった」ことを覚えている者は少ない。
立命館大学正門と大学のシンボル時計台。嘗てこの時計台の手前に球場があったが、今では学内でもその事実を知る者は少ない。 ここが古田前選手会長の学び舎でもあった。

創設当初は両翼100mといえば大きい方で、これを調整するためラッキーゾーンが設置され、両翼92mまで縮められていたこともあったが、 恐らくこれは甲子園の方針に合わせたものであろう。 なお、ラッキーゾーンは88(昭和63)年の京都国体に合わせ、87(昭和62)年には撤去されている。
62(昭和37)年には念願の照明設備が阪急電鉄の協力を得て完成され、以後は阪急沿線ということもあって阪急ブレーブスの準本拠地とされ、 近鉄バファローズや阪神タイガースも主催試合を開催した。67(昭和42)年、西本監督の下阪急ブレーブスが初優勝を飾ったのも西京極である。 その後、国体に合わせ、87(昭和62)年には全面改修工事も行われた。 殊に阪神には「死のロード」期間中の仮本拠地として重視された。
しかしブレーブスが西宮球場から撤退し神戸に移転したため、阪神が西宮を使用可能になったこと、 大阪ドームやGS神戸が完成してわざわざ設備面で劣る西京極を使う必要性が減少したことなどを受けて次第にプロ興行は行われなくなった。 近年は阪神戦が年間1試合開催されるのみとなっており、しかも何故か梅雨時の6月に日程が組まれることが多く「雨天中止」となることもしばしばであった。
西京極での阪神開催公式試合は「警備・設備上の問題」を理由として、05(平成17)年5月17日の対ライオンズ戦を最後に行われていない。
照明灯の下にある記念碑。阪急電鉄のほか、松下電器の名も見える。

一方、ジャイアンツは合併騒動以降の人気低下に対する打開策として積極的に地方開催を行っており、その一環として10(平成22)年4月21日の対ベイスターズ戦を本球場で開催している。ジャイアンツの京都開催試合はこの年限りで、今後も開催されるかは不明である。
この試合に先駆けて、京都市は09(平成21年)12月から翌3月に掛けて総額2億6千万円の大規模改修を実施している。加えて命名権は高校野球協賛企業としても有名な健康食品会社・わかさ生活が取得し、09(平成21)年4月1日より愛称が「わかさスタジアム京都」となった。

しかし関西第2の都市であり、桓武天皇以来1,000年以上にわたって王都であり続けた京都で、 国民的スポーツにまで成長したプロ野球興行が行われないのは如何なものであろうか。 京都は歴史的にも機能的にも、神戸とは違い大阪の衛星都市などではない。過去にも大映ユニオンズが主催試合を行うなど、 市場としての京都の魅力は捨てたものではないように思う。 私見としては、当分の間西京極をオープンスペースとして複数球団に幅広い使用を認め、 将来的には球場を再整備して球団を創設し、NPB新規参入を視野に入れた展開が望まれる。 京都市内に本社を置くハイテク企業も、悪徳ノンバンクの保有するダメ球場の命名権を買うカネがあるなら、 こっちの整備に回すのが地域貢献であり郷土愛であろうと言いたい。
(左)正面ゲートに掲げられたわかさスタジアム京都の看板。
(右)巨人戦広告。20日の大阪、22日の岐阜と併せて3連戦が行われた。震災の影響で11(平成23)年開幕が宇部で行われたのはまだ記憶に新しい。

MIDIデータ

「Time after time 〜花舞う街で〜 [Theater Version]」/ 倉木麻衣
作詞:倉木麻衣 / 作曲:大野愛果
データ制作:今井啓太
【Sound GIGA】http://imai-k.hp.infoseek.co.jp/

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